日本酒の種類、何が違うの?
日本酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料として作られています。純米系の日本酒は醸造アルコールを使わずに米、米麹、水のみで作られています。
さらに日本酒には純米酒や本醸造酒などさまざまな分類に分けられています。ひと昔前は、「特級」「一級」「二級」という分けられ方をしていましたが、1992年以降、級別制度が廃止され現在のような特定名称になりました。しかし、それぞれの違いをしっかり理解している人は少ないのではないでしょうか。
日本酒は製法によって分類されますが、それぞれの味や香りがあり、適した飲み方があります。日本酒の種類を理解すると、自分の好みのお酒や製法による味の違いがわかり、もっともっと楽しんでいただけると思います。
日本酒は大きく2つの種類に分けられる
日本酒は大きく2つの種類、「純米系」と「本醸造系(醸造アルコール添加有り)」とに分けられます。
純米系 | 米、米麹のみを原料とする酒。 |
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本醸造系 (醸造アルコール添加有り) |
米、米麹、規定量内の醸造アルコールを原料とする酒。 |
- 醸造アルコールとは
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醸造用アルコールとは、サトウキビを原料として醗酵蒸留したアルコールのことです。醸造用アルコールを加えることによって以下のような効用があります。
効用その1
まず、お酒の量を増量させること。これは、米と米麹・水がお酒の基本原料ですが、これらから醸し出されたお酒は大体アルコール度数が高くても18度ほどになります。市販酒はそれを加水して15度から16度にして出荷するのですが、アルコールを添加して度数を高くすれば、その分、酒量が増え、お値段もリーズナブルになります。効用その2
アルコール度数を高める事で雑菌の侵入を防ぎ、また酒を劣化させる乳酸菌の増殖を防止する働きがあります。効用その3
アルコールを少量加える事で、香りが高く立ち、味わいがすっきりと綺麗になります。といった目的のため使用されています。
古く江戸時代から、「柱焼酎」といって蒸留酒を加える手法が確立されておりました。
特定名称酒の分類
また、特定名称酒といって、酒税法において、使用原料、製造方法、精米歩合(玄米の磨き度合い)等によっての違いによって、以下のように8種類に分類されます。
精米歩合について
精米工程で米をどれだけ精米したかを元の玄米の重量に対する白米重量の割合で示す数字のことを精米歩合といいます。例えば、精米歩合40%とは、玄米の60%を磨き40%の白米にしたものです。
高精米歩合になるほど高級酒といわれ、日本酒特有の吟醸香と呼ばれるフルーティーな香りが現れてきます。一般的に、精米歩合が低くなるほど雑味が少なくなりすっきりとした味わいに仕上がります。
普通酒について
酒税法上、「清酒」と定められる醸造酒のうち、上記の表の規定に属さないお酒を普通酒、もしくは一般酒と称します。かつて、酒特定名称酒の規定がなかったころ通常造られていたお酒が「普通酒」にあたり、その中から、より吟味して醸造したり更に磨きをかけた造りをした酒を特定名称で呼称するようになりました。
特定名称酒が多少お値段が高価になる中、昔から変わらない普通酒は長年庶民の晩酌の酒として愛されてきました。普通酒だからレベルの低い酒なのかといったら、決してそうではありません。毎日晩酌しても飲み飽きないスッキリな味わいで、熱燗にするとほのかに甘みが増し、普通酒しか飲まないという愛好家も多いと聞きます。また、料理酒としても活用できるオールマイティな酒です。